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2021.7.26

Vnet編集部

英語は小さい頃から始めるべき??効果が出る英語の早期教育について解説!

「まだ年中クラスの子ども。英語を習い始めているお友だちもいるけど、うちの子も習わせるべき?」
「日本語もままならない時期から、英語を習わせても大丈夫?」
「自分は英語で苦労した分、子どもたちには苦労させたくない。」
こう思ったことはありませんか?早めに英語を習わせたい気持ちもありつつ、情報が多すぎて悩まれている保護者の方も多いと思います。
そこで今回、Vnet編集部では英語教育のプロに「結果が出る英語の早期教育」について聞いてきました!

 

英語を始めるなら早い方がいい?!

「英語は小さいうちから始めるほうがいい!」とよく耳にしますよね?
これは、人には言語をスムーズに習得できる時期(臨界期)と呼ばれるものがあり、この時期をすぎると“ネイティブ同様にスムーズな言語習得が難しい”という臨界期仮説に基づきます。
しかし「臨界期仮説」には諸説あり、第二言語習得には当てはまらない説、そもそも臨界期は存在しない説、学習領域によって臨界期は異なる説、と実にさまざまな見解があります。「○歳までに英語を習わせないといけない!」といった広告をよく目にしますが、半分本当で半分はそうとは限らない感じです。
早くから英語を学ぶことで得られるメリットは多くありますが、これは適切な教育がなされた場合という条件がついてきます。
適切な教育と言われてもどうしていいかわかならい・・・ということで今回は、英語教育歴20年以上、CELTA(英語を母国語としない人に対する英語教授法資格)を持ち、シェーン英会話薬院本校の校長を長年務めているトム先生に「英語教育を成功させる条件」について話を伺ってきました。

英語の早期教育が成功する3つの条件とは?

シェーン英会話薬院本校校長


―子供には早期の英語教育を!と思われる保護者の方は多いと思いますが、注意すべきことはありますか?

トム先生:
子ども一人だけに英語を習わせるのではなく、親子で取り組む環境が必要です。適切な環境下でないと、せっかく早くから英語の教育を始めても身につかない可能性があります。また、興味がないのに無理に英語を習わせた場合も、十分に効果がでない可能性があります。こういったことも含め、年齢だけを基準に考えるではなく、お子様の興味や関心に合わせて、「いつから始めるのか」「どうやって学ぶのか」を考えてみるのがいいでしょう。


―適切な環境というのは、どういうものが必要なのでしょうか?

トム先生:
細かいことを言うときりがありませんが、まずは土台として、次の3つの条件が整った環境が必要だと考えます。

①楽しみながら英語を学べる環境づくり

英語の早期教育では「英語をたくさん聞く時間」をいかに増やせるかが重要となります。十分な英語のインプットがあったうえで、他者とのコミュニケーションを通じ、話す(アウトプット)機会を増やしていくが理想です。そのために大切なことは、やはり楽しむこと。
幼児期に無理やり習わせてしまうと、英語に苦手意識を持ってしまうかもしれません。お子様の興味があるものを題材にしてみてください。恐竜や動物、乗り物などなんでも構いません。「これは英語で何て言うのかな・・・」といった好奇心が、子どもたちの語彙力アップにもつながります。

②英語に触れる時間を家庭でもつくり、親子で一緒に取り組む

多くの家庭が陥る罠ですが、幼児期から英会話スクールに通わせても、週に1回、1時間足らずのレッスンだけでは英語は身につきません!その英会話スクールに素晴らしいカリキュラムがあったとしてもです。
前述の通り、幼児期の英語教育ではインプット(聞くこと、読むこと)が大事になります。たくさんの英語の触れさせるためには、家庭でも英語に触れさせる時間が必要です。
自分は英語ができないから、家庭では英語の学習ができない・・・
そう思われる方も多くいらっしゃいますが、そこは一緒に英語を学ぶつもりで、ぜひ一緒に歌を歌ったり、絵本を読んであげたりしてください。
子どもたちは、お父さんやお母さんと一緒に何かをすることが大好きです。子ども一人だけで動画を見るよりも、家族一緒に動画を見て、一緒に歌うと、とても喜びますし、英語が好きになります。
英語の発音に自信がなくても大丈夫!動画や音声、英会話でのレッスンで本物の発音は聞くことができます。もし発音が少し間違っていても、英会話スクールなどに通わせていれば、英語を教えるプロである先生が正しく導いてくれます。
「英会話スクールに通わせているから安心」ではなく、通わせているからこそ家庭でも一緒に英語の時間を過ごし、レッスンの内容がより定着するように導いてあげてください!

③他者との関りを持つこと

幼児期の英語教育にはインプットが重要なら、家で英語動画を見せておけばいいの?
と思いがちですが、少し違います。もちろん、スキマ時間に利用するのは問題ありませんが、あくまでも英語は言語。
コミュニケーションのツールなので、他者とのやりとりが必要です。日本語と同様、お父さん、お母さん、もしくは英会話スクールの先生などとのコミュニケーションで少しずつ英語が身についていきます。一緒に英語の歌を歌う、英語で簡単な会話をするなど、簡単でいいのでアウトプット(話すこと)の機会を持たせてあげてください。


編集部:
やはり週1回のレッスンだけで、英語を身につけるのは難しいんですね。
普段は、家庭で英語のコンテンツを利用し、たくさんの英語を聞かせ、英語を話す機会は英会話スクールなどを利用するという「インプットとアウトプットの両立」が効率的な英語学習といえそうです。

英語早期教育4つのメリット

ー英語を早期から習わせるメリットはどういうものがありますか?

トム先生:
年齢だけで判断せずに・・・と言いましたが、早期に適切な英語教育を始めることで得られるメリットはもちろんあります。
大きく3つについて説明していきます。

①英語を聞き分ける力が身につく

まず一つ目は、幼児期より英語に触れることで「英語を聞き分ける力」が身につきます。日本人が苦手とする「l」と「r」が代表例です。日本語にない音を聞き分ける力は、年を重ねるごとに低下すると言われています。そのため、この時期に良質な英語をたくさん聞き、正しい英語の発音にふれることで英語の習得にも明らかに違いがでてきます。

②英語を英語としてとらえることができる

英語での会話

二つ目は、「英語を英語としてとらえる力」。文章の読み書きや会話をするうえで大切なのは「和訳しない」こと。英語を英語として理解しないと、会話をするうえでもタイムラグが生じたり、解釈が異なったりします。
例えば、「have」を「持つ」、「take」を「取る」と単に覚えてしまうと「have/take a shower」と聞いたときに「シャワーを持つ/取る」と訳すことになってしまいます。「シャワーを浴びる」という本来の意味とは、少し異なりますよね。
逆の場合も同様です。「シャワーを浴びる」と言おうとした時に、「浴びるなんて単語知らない・・・」となると、言葉が出てこなくなる人も多いと思います。こうならないためには、言葉を一つひとつ訳するのではなく、場面をイメージしたり、言葉が持つイメージを理解したりすることが必要です。英語を英語でとらえることは、英語上達の条件ともいえます。


編集部:
今年から始まった大学共通テストでは、問題で使用された語数が前年のセンター試験に比べて1,000語以上も増えたり、問題文が英語で書かれていたりと読解スピードも要するものでした。和訳せずに英語のまま理解する力がないと、最後まで解くことが困難となります。このように受験の観点からも、重要な意味を持つといえそうです。

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③英語嫌いになりにくい

トム先生:
「発音が悪くて笑われたらどうしよう」
「外国人講師を前にすると緊張してしまう」
「間違っていたらどうしよう」
日本の子どもたちは年齢が高くなるほど、こういった悩みや英語に対する苦手意識を持ってしまいます。また、学校の授業では間違えてしまうとテストなどで減点されることから、間違い=悪いことだと思ってしまい、英語を書いたり話したりすることが苦手になる子どもたちもいます。
小さい頃から英語を始めていると英語が「苦手」になる前に、英語でコミュニケーションをとることの楽しさを知ることができます。多少間違っていても、その間違いから正しい表現を身につけていくので、間違うことを恐れずに英語のアウトプットが可能となるため、英語嫌いになりにくくなります。


編集部:
思春期になると「人前で英語を話すのが恥ずかしい」と思う子どもたちも増える傾向にあるので、そういった意味でも早めに英語学習始めておいたほうがよさそうですね。

④学校で習うローマ字に邪魔されない

子どもの英語教育

トム先生:
私の持論ですが、ローマ字の学習は子どもたちの英語学習の弊害になりうると考えています。
例えば「bike」は、英語だと「バイク」、ローマ字だと「ビケ」となりますよね?
英語が苦手な方の多くは、英語とローマ字を混同している場合が多いように見受けられます。見知らぬ単語が出てきたときに、ついついローマ字読みをしてしまう方も多いのではないでしょうか?
ローマ字と英語は違うものですが、使っている文字が一緒なのでどうしても混同してしまいます。学校のカリキュラムからローマ字学習が外れることはなさそうなので、私の考えではローマ字を習う小学校3年生より前に、英語の文字と音の関係(フォニックス)を学んでおくと、ローマ字と英語を混同しないため、英語の上達がスムーズだと考えています。

小学校高学年からではもう遅い?

―環境が整ったうえで、という条件付きとはいえ、やはり早期の英語教育にはメリットが多そうですね。
では、小学校高学年からの本格的に英語を学ぼうと思っても、もう遅いのでしょうか?

トム先生:
そんなことはありません。
もちろん、小さい頃から英語を学ぶ方が、英語を「勉強」としてではなく「コミュニケーションツールの一つ」として身につけることができます。しかし、小学生からでも中学生からでも、大人になってからでも、本人の努力次第ではネイティブ並みの英語力を身につけることはできます。
特にリーディング、ライティングの分野では、高度な認知能力を必要とするため、ある程度年齢が高くならないと、なかなか上達しません。いくら英語ができる5歳の子がいても、難しい言葉や文章の意味を理解することはできませんからね。
そういった点では、早期に英語教育を始めたからといって「聞く」⇒「話す」⇒「読む」⇒「書く」の英語4技能すべてが、無条件に身につくわけではなく、子どもの年齢に合わせて、学ぶ内容の比重を変化させていく必要があります。
なお、思春期以降や大人になってから英語学習を始める場合は、文法から学ぶほうが効果的だと言われています。

英語を早くから習わせると、日本語が変になる?!


―日本語もまだ話せない年齢から、英語を習わせると日本語も身につかないと心配される保護者も多いですが、実際はどうなのでしょうか?

トム先生:
日本に住んで、日本で生活をしていれば、幼少期に英語の学習を始めたからといって、日本語と英語を混同することはありません。海外などに住んでいて、日本語を使う機会がほとんどないような場合は別ですが、普段の生活のなか、特に学校の授業や友だちとのコミュニケーションのなかで、日本語力は自然と養われるので、安心してください。

以上、早期の英語教育について話をうかがってきました。
自分が英語で苦労したから、子どもたちにはそんな思いをさせたくない・・・そう思う保護者の方は多いと思います。英語教育といっても、英会話スクールに通わせるだけでなく、音楽や絵本、動画などの様々なコンテンツがあるので、お子さまの興味や性格に合わせて、スタートするのがよさそうです。まずはこういったコンテンツを試してみて、お子さまが英語を楽しめているかをチェックしてみましょう。興味があるようであれば、幼児期からでも英会話スクールを検討するのも一つの手ですね。

まとめ

・英語の早期教育はメリットも多いが、なによりも本人が楽しみながら取り組める環境づくりが大切!

・英語はコミュニケーションツール。家庭でのコミュニケーションの中に英語を組み込むことが上達への近道!

・英語を学ぶのに遅すぎることはない。学びたい!と思った時から本格的に勉強を始めても、英語は身につく!

【参考資料】言語習得の臨界期について
https://www.jstage.jst.go.jp/article/secondlanguage2002/3/0/3_3/_pdf

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