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2021.10.18

Vnet編集部

過去問にはどう取り組む?秋以降の中学受験対策のポイント|ベテラン講師が伝授

10月になり、受験生本人はもちろん、その保護者にとってもいよいよ「入試」が現実味を帯びてくる時期になりました。九州エリアでの中学受験の出願は11月下旬から年明けぐらいの期間内に設定している学校が多く、今は志望校選定や願書の取り寄せなどをしている頃だと思います。この記事では、中学受験生を持つ保護者の皆さんに向けて、秋以降どのようなことに注意すれば良いかについてアドバイスをお伝えします。

 

塾を徹底活用する

塾の先生を頼ろう

高校受験と違い、中学受験は小学校で習う内容を勉強しているだけでは受験に対応できないこともあるため、塾に通って特別な対策を受ける受験生が多いでしょう。しかし塾という強力な味方がいても、入試が直前に迫ってくると、生徒本人はもとより保護者の方もつい不安になってしまうものです。
特に、これまでは勉強した分だけ偏差値や合格判定が目に見えて良くなっていたのに、入試が迫ってくるにつれて、思わしくない結果になることが多くなり、焦ることもあると思います。しかしそれは、お子さんが限界に達したからではなく、他の受験生も同じように学力を伸ばしただけのこと。むやみに不安に駆られることなく、どうすれば本番で1点でも多く正解できるかに意識を向けましょう。
受験に関して何か問題や悩みごとがあれば、積極的に塾の先生に相談してください。子どものことだけでなく、保護者の皆さん自身のことでももちろん結構です。保護者の方が不安になると、生徒にも伝播し、良くない影響を与えてしまいかねません。

倍率には要注意

受験生は偏差値や合格判定、倍率に惑わされないように気をつけよう

つい目が行きがちなのが、出願が始まってからの倍率の情報です。しかし、受験生が倍率の情報を得ること自体には特別なメリットはありません。なぜなら、志望人数が増えたとしても、その学校を第一志望にしている力のある受験生はそう簡単に志望校を変えないからです。特に6年生の秋以降、保護者はともかく、生徒本人は新たな情報からなるべく遠ざかった方が無難です。(とはいえ、Vnetでも倍率速報は掲載するのですが…)仮に成績が伸び悩んだとしても、お子さまの力を信じて、迷わずに第一志望校に的を絞って対策を続けましょう。
入試本番に向けて活用するのは、①志望校や併願校の過去問と解答、②解き終わった塾のテキストの見直しややり直し、③塾の冬期講習や直前特訓などで使う教材だけで構いません。周囲の雑音から遠ざかり、この3つを何度も繰り返し練習しましょう。特に志望校対策を進める上でもっとも重要なのは過去問です。これはできるだけ多く集めて解いておきましょう。

過去問は上手に活用を

過去問対策

志望校の過去問を解く目的として、①合格可能性を探るため、②本番に慣れるため、③時間配分の訓練のため、④出題傾向を知るため、などがあります。塾の授業では9月ごろから本格的に、志望校の問題を扱い始めるのが一般的です。そして11月になると過去問を解く機会が大幅に増えていきます。このころから時間を正確に計って本番同様に過去問を解かせるのが良いでしょう。早く解き終わったからといってやめてしまうと「見直せばできた」という甘えが出てしまいます。練習=本番を強く意識して臨みましょう。本番と同じ時間帯で全教科解いてみるのもおすすめです。

採点すると合格最低点とのギャップを把握できます。最初はなかなか合格点に達しないものですが、焦る必要はありません。間違った問題を解き直して理解する作業を数年分に渡ってやることで、必ず合格最低点をクリアできるようになります。少しずつ着実に志望校の問題に馴染んでいきましょう。

また、過去問演習では、入試問題との相性も測れます。模擬試験でどんなに合格可能性が高く出ても、入試演習で合格点が取れにくい問題は、本番でも点を落とす可能性がありますので注意が必要です。逆に合格可能性がどんなに低く出ていても、過去問演習で合格点が取れている学校は本番でも大逆転は十分にありえます。自信を持って受験に臨みましょう。

1点の重みを大切に

1点を大切に

本番で合否を分ける1点の重みについて、ご家庭でも折にふれて伝えるようにしましょう。模擬試験の順位と得点表を見ると、合格可能圏のボーダーラインに近づくほど、受験生の得点が団子状態になっています。つまり、合格ラインギリギリではたった1点で差が合否を分けることになるのです。受験では合格者の定員が決まっているため、本番では1点の違いで20人程度の逆転は起こります。答案の作り方、書き方については、1点を貪欲に取ることを意識しましょう。

国語

問題文をよく読む。漢字・語句では失点しない。特に送りがなが必要なのかどうかは入念にチェックを。記述は細かい字でびっしり書かずにすっきりした解答を目指しましょう。論説文は傍線の近くに正解が隠れている場合が多いので要注意。

算数

最初に問題全体を見渡すことと、最後の1秒まで粘ることを徹底しましょう。計算問題は確実に解き、単位を間違えないこと。図形や場合の数の問題は、設問の意図に注意しましょう。「あと~人」「全体の~」「残りは~」「~でないものを求めなさい」など、細かい言い回しに十分に注意してください。

理科・社会

できない問題は後回しにして、終了5分前は空欄を極力埋めるべきです。まずパターン問題(暗記中心の問題)から解いて、計算や統計について分析する必要のある問題に取り組みます。理科は単位に注意しましょう。

後悔しない受験パターンを組みましょう

受験校に対してはお子さまも保護者以上にこだわりを持っています。塾の友だちや先生からたくさんの情報(第一志望校、併願校など)を得て、お子さまなりの知識を持っています。ほかの生徒がチャレンジ受験をするのに、本命だけしか受けない場合、必要以上に緊張を強いられることになりかねません。本命の学校だけを受験することはできるだけ避けましょう。
まず、最初に決めた第一志望校は必ず受験させましょう。目標校のランクを下げることは、生徒の志気に影響しますし、受験することで、仮に結果が出なくても納得がいくでしょう。初志貫徹です。そして、第一志望校の前に、自信をつけるための「安全校」、受験をより深い経験にするための「チャレンジ校」を含めると、ここ数年、併願校の数が年々減少傾向であるとはいえ、4~5校の受験がおすすめです。

さらに、どのような学校であっても、合格したときは評価してあげてください。子どもが合格の喜びを報告しにきたときに、「その学校は偏差値低いんでしょ?」などと突き放さないようにしましょう。中学受験を通して生徒自身が成長するためには「成功体験」と「失敗体験」の両方を経験することが重要です。「4~5校の受験がおすすめ」と書きましたが、第一志望校を含めて「勝ち越すパターン」を組んでみましょう。

保護者は「俳優に」なるべし

保護者は俳優になろう

この時期は、子どもたちが精神的に不安定になりがちです。「本当に合格できるのか」「今のままの勉強でいいのか」「何のために受験するのか」など、特に覚悟を決めきれていない生徒ほど悩みます。そういうときに、身近にいる講師・保護者が適切な接し方をすることが重要になるのです。子どものモチベーションを上げ、受験勉強に掻き立てる方向に進むように導いてあげましょう。以下、3つのポイントです。

ほめる

塾では、基本的に受験直前までは生徒に厳しく接します。受験という孤独な戦いに打ち勝つには、強い精神力が求められるためです。このとき、ご家庭でも同じように厳しい接し方をすると、子どもにとっての逃げ場がなくなります。できたことよりできていないことばかりが目につきやすいものですが、成績が上がったり、テストで良い点数を取ったりしたら褒めてあげてください。思うような成績が取れていなくても、努力している過程を評価してあげることも重要です。家庭でこうした配慮をしていないと、受験本番までに息切れしてしまうことも十分にあり得ます。

協力している姿勢を見せる

ノートのチェック、テストのやり直し、理科・社会の知識の確認(一問一答の質問をしてあげる)など、学習面のフォローは塾に任せても大丈夫ですが、逆に生活面は保護者が「全面的に協力している」という姿勢を見せてください。保護者の気持ちが自分に向いているとわかれば、精神的に安定しますし、勉強へのモチベーションアップにもつながります。

どっしり構え、受験結果に一喜一憂しない

複数受験する場合は、はじめての受験に思うように力が出せず、大丈夫と思っていた学校に失敗する場合もあります。しかし、年によっては中学校側が意識的に合格ラインを上げてくるケースもあり、その場合は後から追加合格が出ます。仮り失敗しても同様せず、受験がすべて終わるまでは気持ちを切り替えさせるようにしましょう。受験生が全力を出し切るためには、ご家庭の皆さんの精神的な部分でのサポートが不可欠です。できるだけ否定的な物言いは避け、お子さんが安心してがんばれるような環境を整えましょう。

まとめ

・特に受験生本人は情報に惑わされない。倍率などの情報からはできれば遠ざかる
・入試本番までに、過去問をできるだけたくさん解く
・受験校は第一志望校の他に、安全校、チャレンジ校など4~5校は受けよう
・保護者はどっしりと構えて、受験生に不安を与えないよう、余裕のある「演技」を。

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