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2021.10.30

ファイナンシャルプランナー 梅見雅之

大学進学までにいくら貯めるべき?費用を知って無理のない計画を。

1回目の今回は、大学進学までに貯めておくべき費用についてのお話です。幼児教育・保育の無償化、義務教育の無償化、高校授業料無償化、児童手当など、教育費の負担軽減策をよく耳にします。読者の中には、実際に恩恵を受けている方もいらっしゃるでしょう。しかし、お子さまの教育にかかるお金が完全にゼロになるということではありませんので、大学進学まで考えると結局いくらかかるのか、目安を知り、無理のない貯蓄の計画を立てましょう

 

高校卒業までにかかる費用は? 進路で教育費はどれくらい変わる?

子供1人あたりの年間学習費

■学校種別の学習費総額[子ども1人あたりの年間支出金額](単位:円)

※平成30年度(2018年度)の調査結果です。2019年10月から「幼児教育・保育の無償化」がスタートしています。

区分 学習費総額
(年間)
学習費内訳
学校教育費 学校給食費 学校外活動費
幼稚園 公立 223,647 120,738 19,014 83,895
私立 527,916 331,378 30.880 165,658
小学校 公立 321,281 63,102 43,728 214,451
私立 1,598,691 904,164 47,638 646,889
中学校 公立 488,397 138,961 42,945 306,491
私立 1,406,433 1,071,438 3,731 331,264
高等学校 公立 457,380 280,487 176,893
私立 969,911 719,051 250,860

出典:文部科学省「平成30年度子供の学習費調査」
「学校教育費」授業料※、入学金、学用品費、通学用品費など、子供に学校教育を受けさせるために支出した経費
「学校給食費」幼稚園、小学校、中学校において、保護者が給食費として学校に納付した経費
「学校外活動費」保護者が子供の学校外活動のために支出した経費。各家庭での学習机や参考書等の購入費、家庭教師、通信教育、学習塾へ通うために支出した経費等の補助学習費、けいこごとや学習活動、スポーツ、文化活動等に要した経費等その他の学校外活動費を含みます。


上の表は文部科学省の調査をもとに、幼稚園から高校(全日制)まで、それぞれ公立、私立に通った場合にかかる1年間の教育費総額の平均値を表にまとめたものです。この教育費には学校でかかるお金と、学習塾やならいごとに通うお金など、学校以外でかかる費用も含まれています。

進路別の教育費用


進路別教育費用

文部科学省「平成30年度子供の学習費調査」をもとに独自に算出

前出の文部科学省の調査結果をもとに、進路別にそれぞれどのくらいの費用がかかるのかをまとめた表がこちらです。幼稚園から高校(全日制)まですべて公立に通った場合は、およそ540万円。すべて私立だとおよそ1,800万円にも上ります。

※このデータは2018年度の調査をもとにしています。2019年10月から「幼児教育・保育の無償化」が始まっているため、現在と異なる部分がありますのでご了承ください。

大学進学にかかる費用はどのくらい? 入学時の費用や仕送りの目安は?

入学費用(受験費用や学校納付金など)


国公立・私立別にみた入学費用

出典:日本政策金融公庫「令和2年度教育費負担の実態調査結果」

 

在学費用(授業料や通学費など)


国公立・私立別にみた在学費用

出典:日本政策金融公庫「令和2年度教育費負担の実態調査結果」

自宅外通学を始めるための費用(単位:%)


自宅外通学を始めるための費用

出典:日本政策金融公庫「令和2年度教育費負担の実態調査結果」

自宅外通学者への年間仕送り額(単位:%)


自宅外通学者への年間仕送り額

出典:日本政策金融公庫「令和2年度教育費負担の実態調査結果」


次に大学進学にかかるお金です。日本政策金融公庫の調査によると、国公立大学の場合でも受験費用や入学金の段階でおよそ77万円、4年間通うための費用はおよそ460万円で合計537万円となります。幼稚園から高校まですべて公立に通った場合の費用およそ540万円とほぼ同額が大学の4年間だけでかかることになります。私立大学理系となれば、およそ860万円となります。
また、自宅外通学者(ひとり暮らし)への仕送り額は年間平均90.3万円(月額7.5万円)、ひとり暮らしを始めるための費用が平均39万円ですので、4年間ひとり暮らしをするとおよそ400万円が別途必要となる計算です。お子さまがどのような進路を選択するかによりますが、国公立大学でもひとり暮らしであれば、4年間でおよそ937万円、ひと月あたり19.5万円かかることになります。このことからも大学進学費用は計画的に、しかも幼稚園から高校卒業までにかかるお金とは別に「貯蓄」で準備しておく必要があることがおわかりいただけると思います。

大学進学までに貯めておきたい理想の金額は?

結論から言うと、理想の金額は600万円です。
私立なのか国公立なのか、ひとり暮らしなのかどうか、大学院まで含めて6年分なのか4年分なのか、不確定要素が多い中、お子さまが大学進学するまでにいくら貯めることを目標にしたらよいでしょう。
入学費用と在学費用の合計を出すと、国公立で537万円、私立文系で703万円、私立理系で863万円となります。この金額には、受験費用や入学しなかった学校への納付金、通学費やならいごと費用も加味されているため、実際必須の学校納付金よりは多めになっています。それらの費用を省いて目標金額を設定するのであれば理想は600万円が妥当だと考えています。

6,000,000円÷18年÷12ヶ月=27,778円
単純計算だとお子さまが生まれてから毎月27,778円の積立となります。

 

ひとり暮らしになる場合も、学校への納付金は積立から拠出し、毎月積み立てていた27,778円を仕送りに充てるということもできるでしょう。

目標600万円が難しいようであれば、月に15,000円や10,000円といったような目標設定でも良いと思います。月に15,000円であれば18年間で324万円、10,000円であれば216万円となります。下の表を参照すると、月10,000円の積立でも国立大学4年間の授業料のみであれば十分カバーできます。月15,000円の積立では、私立大学(文系)4年間の授業料と施設設備費の大半をカバーできることになります。

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大学授業料・施設設備費・入学金一覧表

授業料(年間)① 施設設備費② 年額合計
(①+②)
入学金
国立大学 535,800 535,800 282,000
私立大学
(文系)
785,581 151,344 936,925 229,997
私立大学
(理系)
1,105,616 185,038 1,290,654 254,309
私立大学
(医科歯科系)
2,867,802 881,509 3,749,311 1,073,083
短大(私立) 703,287 173,775 877,062 241,836
短大(公立) 387,729 387,729 220,514
私立高等専門学校 700,744 94,186 794,930 241,860

出典:文部科学省「令和元年度 国公立大学等の授業料その他の費用に関する省令」
文部科学省「平成30年度 私立大学入学者にかかる初年度納付金平均額」

仮にお子さまが奨学金などを検討し利用する場合でも、受験費用や入学金はある程度一時金で必要となりますので、月5,000円18年間積立の108万円は確保することをおすすめします。
さて、今回ご紹介した目安となる教育費を無理なく積み立てるにはどうしたらよいのか、今後の記事では、小学生の子どもを持つ私自身の経験や計画をふまえてご紹介します。

【まとめ】

   ・幼稚園から高校卒業までの費用はオール公立で540万円。進路次第では最大1,800万円かかることも。
大学進学費用は貯蓄が前提。貯めておきたい理想の金額は600万円。
・高校卒業までにかかる費用とは別に、単純計算で、子どもが生まれてから毎月27,778円を積み立てておくと大学入学時に安心。難しい場合は毎月5,000円からでも。

 

筆者プロフィール

梅見雅之 うめみ まさゆき
大手生命保険会社 ファイナンシャルプランナー

1978年生まれの43歳。一児(小学1年生)の父。以前教育関係の仕事に従事していた経歴から、教育費に関する相談を受けることが非常に多く、自ら”教育系FP(ファイナンシャルプランナー)”と名乗る。

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