学校生活
2021.2.2
【食事で身につける睡眠力】質のよい睡眠で、効率的に勉強しよう!
「授業中、仕事中に眠気に襲われる」
「眠っても疲れがとれている気がしない」
「朝起きるのが、すごく辛い」
大人も子どもも抱える睡眠に関する悩み。
早く寝なきゃとは思っても、ついついスマホを見てしまい、睡眠不足に。そして、朝起きるのがとっても辛い。
そんな毎日を過ごしている方必見!
実は、睡眠と食事には深い関係があるんです。
睡眠によい食事を知って、勉強、仕事を効率的にがんばっていきましょう!
※この記事は管理栄養士の監修のもと作成しています。
質のよい睡眠に導く3つのアミノ酸
トリプトファン
質の良い睡眠に最も必要な栄養素です。朝に摂取し、日中の太陽の光を浴びることで、セロトニンがつくられます。さらに、このセロトニンを材料として分泌されるのが、安眠には欠かせないメラトニン。朝ごはんでトリプトファンをとっておくと、夜には睡眠ホルモンメラトニンが分泌され、質の良い睡眠につながります。
【多く含まれる食べ物】乳製品、大豆製品、バナナ、ナッツなど
GABA
興奮を抑え、心身をリラックスさせる効果があります。休息しているときに高まる副交感神経を活発にし、自然な眠りへと導いてくれます。
GABA入りのチョコレートも売られていますよね!
【多く含まれる食べ物】カカオ、玄米、トマト
グリシン
人は寝付く際、体の内部の温度「深部体温」を下げることで、心地よい眠りにつくことができるといわれています。グリシンには、深部体温を下げる効果があるほか、体内時計に作用し、生体リズムを整える効果があります。
夜ご飯にグリシンを多く含むものを食べるようにするといいですね。
【多く含まれる食べ物】えび、ホタテ、イカ
安眠には、朝食がカギ!
寝るまでに、睡眠ホルモンであるメラトニンを分泌させておくためには、朝食でトリプトファンをとっておく必要があります。
夜の安眠のための準備は朝から始まるんですね!
どうしても朝ごはんを食べる時間がない、朝からご飯を食べられない・・・という方は、バナナ+牛乳やヨーグルトでもいいので食べるようにしましょう。
夜ご飯を食べる時間は?
安眠のためには、寝る前の3時間までには夜ご飯を食べておきたいところ。就寝直前にご飯を食べてしまうと、食べたものを消化吸収することに集中し、脳や体が休まりません。そのため、睡眠の質が悪くなってしまうのです。
塾や仕事で夜ご飯が遅くなってしまう時は、消化のいいものを食べるようにしましょう。
イカやえびは消化にはよくないので、ここでグリシンを含む食べ物を無理にとろうとしなくて大丈夫です!
途中で食事の時間がとれそうなときは、軽くごはんを食べてしまい、寝る前はスープなどですませる方法もあります。
カフェインが入っているコーヒーやお茶も、寝る前の3時間前までに飲んでおくのがよいといわれています。
ホットミルクは夜飲まないほうがいい?!
「夜寝る前に、ホットミルクを飲むと寝つきがよくなる。」
「実は、夜寝る前には、ホットミルクは飲まないほうがいい。」
どちらも聞いたことがありませんか?
結局どちらなのでしょうか?
せっかくなので、それぞれの理由を見ていこうと思います。
飲まないほうがいい理由としては、主にこの2つがあげられます。
トリプトファンがメラトニンになるまでには時間がかかる
牛乳には、トリプトファンが多く含まれていますが、前述したとおり、トリプトファンがメラトニンになるまでには、ほぼ1日かかります。寝る前に、牛乳を飲んでもメラトニンの分泌が間に合わないため、朝飲むほうが効果を実感できるかもしれません。
消化器官が働き、体が休まらない
牛乳には脂質や糖質も含まれているため、それを消化吸収しようと体が一生懸命動いてしまいます。その結果、睡眠の質が下がってしまいます。寝る直前にご飯を食べないほうがよいのと同様、寝る直前のホットミルクは避けたほうがいいという意見もあるようです。
眠りを誘うオピオイドペプチド
一方、飲むと寝つきがよくなる理由としてオピオイドペプチドの存在があげられます。
牛乳にはカゼインというたんぱく質が含まれていますが、これが消化されていく過程でできるオピオイドペプチドという成分には、神経の興奮を沈め、眠りを誘う作用があります。
また、あたたかい飲み物を飲むことで、内蔵の温度がいったんあがります。温度が下がっていくタイミングで眠気がくることがあるため、ホットミルクは寝つきがよくなる、という説が多いようです。
どちらが絶対にいい!というわけではありませんので、ご自身やお子様の体質、睡眠の状態を見ながら、寝る前のホットミルク習慣をどうしていくか、考えてみるのがいいと思います。
牛乳以外で、寝る前に何かを飲む場合は、ノンカフェインの飲み物を選んでくださいね。
以上、質のよい睡眠のための食事のコツを紹介してきました。
もちろん、食事だけでなく、朝ごはんを食べるといった生活のリズムを正すこと自体も、睡眠の質をあげるために大切です。
日中に適度に運動を行ったり、入浴方法や寝具にこだわったりと環境面を整えることもお忘れなく。
勉強や仕事に集中するためにも、ぜひ食事と生活リズムを見直していきましょう!
まとめ
・質の良い睡眠には、まず朝ごはんを食べることから!
・朝食に「トリプトファン」を多く含む食品をとると、夜、睡眠ホルモン「メラトニン」の生成が促進される
・食事やカフェインを含む飲み物は、寝る前の3時間前までに済ませておく
<参考>
厚生労働省生活習慣病予防のための健康情報サイト
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/heart/k-01-004.html
一般社団法人日本乳業協会
https://www.nyukyou.jp/
雪印メグミルク「江澤郁子先生のミルク健康塾」
https://www.meg-snow.com/fun/milk-juku/