高校生
2020.10.20
共通テストの英語の得点、国公立大学は一般選抜でどう扱う?
大学入学共通テストの英語における、リーディングとリスニングの配点比率は1:1(100点:100点)が標準です。しかし、入試で得点をどう扱うかは各大学が自由に判断して良いルールになっています。今回はまず、各国公立大学が共通テストの得点を一般選抜でどのように扱う予定なのかを一覧にして紹介します。受験生は要チェックです。(2020年9月時点 判明分)
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英語の点数換算(一般選抜)
配点比率 R100点 L100点(1:1)共通テストの配点のまま |
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【国立大学】 |
北海道大、北海道教育大、室蘭工業大、 小樽商科大、旭川医科大、弘前大、 宮城教育大、筑波技術大(保健科学)*、 東京外国語大、東京学芸大、東京工業大、 東京海洋大、お茶の水女子大、一橋大、 長岡技術科学大、上越教育大、金沢大、 名古屋工業大、豊橋技術科学大、大阪教育大、 兵庫教育大、和歌山大、広島大、 鳴門教育大、福岡教育大、九州大、 九州工業大、鹿屋体育大 |
【公立大学】 |
札幌医科大、札幌市立大、 公立千歳科学技術大、名寄市立大、 青森公立大、岩手県立大、 秋田県立大、秋田公立美術大、 山形県立保健医療大、山形県立米沢栄養大、 会津大、群馬県立女子大、高崎経済大、 長岡造形大、富山県立大、石川県立大、 敦賀市立看護大、長野大、長野県看護大、 静岡文化芸術大、三重県立看護大、 京都市立芸術大、京都府立医科大、 福知山公立大、公立鳥取環境大、 島根県立大、新見公立大、 愛媛県立医療技術大、九州歯科大、 福岡県立大、福岡女子大、 大分県立看護科学大、宮崎県立看護大、 名桜大 |
配点比率 R200点 L50点(4:1)現行センター試験の配点比率に換算 |
【国立大学】 |
福島大、茨城大、筑波大、群馬大、 千葉大、東京芸術大、新潟大、信州大、 愛知教育大、滋賀医科大、京都教育大、 京都工芸繊維大、神戸大、奈良教育大、 奈良女子大、鳥取大、島根大、岡山大、 山口大、徳島大、香川大、高知大、 長崎大、熊本大 |
【公立大学】 |
釧路公立大、公立はこだて未来大、 青森県立保健大、宮城大、国際教養大、 群馬県立県民健康科学大、 千葉県立保健医療大、神奈川県立保健福祉大、 金沢美術工芸大、名古屋市立大、大阪府立大、 神戸市外国語大、神戸市看護大、 岡山県立大、尾道市立大、広島市立大、 福山市立大、山陽小野田市立山口東京理科大、 香川県立保健医療大、高知県立大、 高知工科大、熊本県立大 |
配点比率 R150点 L50点(3:1) |
【国立大学】 |
北見工業大、東北大、宇都宮大、 東京医科歯科大、電気通信大、福井大、 岐阜大、静岡大、浜松医科大、名古屋大、 京都大、大阪大、佐賀大 |
【公立大学】 |
前橋工科大、埼玉県立大、新潟県立大、 新潟県立看護大、石川県立看護大、 公立諏訪東京理科大、大阪市立大 奈良県立大、奈良県立医科大 |
独自の配点比率に換算 |
【国立大学】 | 帯広畜産大(3:2) 東京大(7:3) 東京農工大(13:7) 三重大(2:1) |
【公立大学】 |
福島県立医科大(3:2) 茨城県立医療大(7:3) 福井県立大(7:3) 長野県立大(3:2) 岐阜県立看護大(7:3) 岐阜薬科大(3:2) 下関市立大(7:3) 宮崎公立大(3:2) 沖縄県立看護大(3:2) |
R:Lの比率が学部により異なる |
【国立大学】 |
岩手大、秋田大、山形大、 埼玉大、横浜国立大、富山大、 山梨大、滋賀大、愛媛大、大分大、 宮崎大、鹿児島大、琉球大 |
【公立大学】 |
東京都立大、横浜市立大、 公立小松大、都留文科大、 山梨県立大、静岡県立大、 愛知県立大、愛知県立芸術大、 滋賀県立大、京都府立大、 兵庫県立大、和歌山県立医科大、 県立広島大、山口県立大、 北九州市立大、長崎県立大、 沖縄県立芸術大 |
*三重市立大、叡啓大は共通テストを課さない。
国公立大学の傾向
◆国立と公立で共通テストの得点利用の傾向はやや異なっています
・配点を1:1とした国公立大学は62大学(全体の35.4%)
・次に多い4:1としたのは46大学(全体の26.3%)
・学部などにより配点比率が異なるのは30大学(全体の17.1%)
RとLの配点比率においての受験対策および2次試験出願時で注意点
自分の志望大学の配点比率を確認して対策を行う
※配点の比率が1:1の大学を志望する生徒は、センター試験と違いリスニングの配点が大幅にアップするので、センター試験の過去問や予想問題を解いて対策を多く積み重ねた方がかなり有利になります。
例年のセンター試験では、リーディングよりリスニングの得点率が低い生徒が多く見られます。さらに今年度の共通テストのリスニングはセンター試験より難易度の上昇が予想されるので、対策を行わなかった場合、せっかく頑張って得点したリーディングの足を大きく引っ張ってしまった…と言うことに成りかねません。
共通テストの自己採点後に、当初受験する予定の大学から出願大学を変更する際にはRとLの比率も考慮すること。
【例】共通テストの英語の得点が『R:100/100点 L:50/100点 の生徒の場合』
《熊本大学…180/200点として換算》《九州大学…150/200点として換算》
上記の場合、2つの大学でRとL配点比率が違うため、30点の差が生じてしまいます。つまり、熊本大学を受験する予定だったが、共通テストの点数が予想以上に取れたので九州大学へ出願をしようとしたが、英語のリスニングの得点率が低かったので九州大学の受験を断念、というようなケースなどが出てくるのです。もちろん逆のケースもありえます。
私立大学の傾向
◆私立大学も、共通テスト型や共通テスト併用型では各大学が個別に判断
【例】《福岡大学…4:1を採用(R160:L40)》
《西南学院大学…Rのみ、またはR+Lで得点率の高い方を採用》
まとめ
共通テストの英語については、出題傾向だけでなく、リーディングとリスニングの比率にも気を配っておくことが成功の秘訣です。自分が受験する予定の大学の入試要項についてはホームページや受験情報誌などで必ず確認しておきましょう。