中学生
2020.12.24
【長崎県/理科】公立高校入試傾向解説(2021年度入試用)
このページでは、2021年度の長崎県公立高校入試に向け、理科の傾向と対策についてまとめています。学習塾の監修による確かなデータと分析をもとにまとめられているので、2021年度入試を受験する生徒は要チェックです。
※この記事は「個別指導の明光義塾」九州本部および福岡の学習塾「エディナ」の監修のもと作成しています。
2021年度入試の出題範囲について
まず2021年入試の理科の出題範囲については、中学校3年生の「地球と宇宙」の以下の範囲が除外されています。
「天体の動きと地球の自転・公転」
・日周運動と自転
・年周運動と公転
「太陽系と恒星」
・月の運動と見え方
つまり「天体が出ない」ということになります。しかしこれは大きな影響はないと考えられます。生物、化学、地学、物理分野から大問が2つずつ出題されるとして、中学校1年生で学習した「大地の変化」、また中学校2年生で学習した「気象」はそれぞれ出題されるであろうと予想されますので、大問が足りないということはありません。「天体」が出ないということを踏まえて、過去問題や類似問題を解いていけば、入試までに全範囲を仕上げることができるでしょう。
入試形式の変更について
長崎県の公立高校入試は、昨年度までの「推薦入試」「一般入試」から変更になり「前期選抜」と「後期選抜」が実施されることになりました。前期選抜は2021年2月3日(・4日)、後期選抜は2021年3月9日(火)・10日(水)に実施されます。
2月3日(・4日)に実施される前期選抜の定員は全募集定員の5~50%の範囲で各高校が決定します。在籍している中学校の校長先生の推薦が不要なため、原則、希望者は全員受験することが可能です。この前期選抜は「特色選抜」と「文化・スポーツ特別選抜」の2つの志願区分に分かれている他、学力検査を実施する学校もあるので要項をよく確認しておくようにしましょう。
3月9日(火)・10日(水)に実施される後期選抜は全募集定員から前期選抜の合格者を引いた数が定員となります。志願の変更ができなくなるなど他にも変更点がありますので、要項を確認しておくようにしましょう。
今回の入試形式の変更は、大学入試でも主流となりつつある「推薦入試」の比重が高校入試でも大きくなりつつある例と言えます。今後の受験生も入試の形式については十分に注目しておきましょう。
平均点の推移について
平均点の推移を過去5年間で見ていきます。2017年度の57.8点をピークに下降を続けていましたが、2020年度は56.8点まで回復しています。平均点が上がった翌年は難化する傾向にありますので、2021年度は昨年度よりも難化するのではないかと見ることができます。
問題構成と配点について
続いて、問題構成と配点です。
大問が1~8まであり、生物、物理、化学、地学からそれぞれ2つずつ大問が出題されます。どの分野も25点ずつの配点となっていますので、全範囲から広く出題されることになります。物理分野と化学分野の計算問題で差がつくような問題が例年出題されています。特に大問2と大問6の物理分野については全体の正答率が半分を切っており、難しい問題が出題されています。
次に、問題の形式についてです。
選択問題、計算、語句・化学式、文章記述、作図がありますが、作図に注目してください。作図が出題されなかった年が2年あります。2017年度と2020年度です。この2つの年に共通していることは何だったでしょうか? そう、平均点がとても高いかった年なのです。逆に2019年度は作図が9点分も出題され、平均点は過去5年間で一番低い年となりました。2021年度はおそらく作図が出題され、昨年度よりも平均点が下がるような問題になると予想されます。
理科の4つのポイントについて
①4分野から均等に出題されます。偏りはありません
②小問数が非常に多い
選択問題、語句問題などたくさんの問題数があるので、時間内にきっちりとミスなく解けるように練習をしておきましょう。
③選択問題のバリエーションが豊富
問題数が多いだけでなく、バリエーションも豊富です。問題をよく読んで、選択を間違えないように気をつけましょう。
④作図問題や文章記述問題に難問あり!
あらゆる分野からさまざまな形式で出題されます。そのため、正確な知識と思考力、判断力が問われる試験となります。つまり「うろ覚え」「なんとなく覚えた」「一夜漬けをした」という状態ではなかなか点数を取ることができない内容だということです。内容をきっちりと理解して、どのような形式が出題されても対応できるよう訓練をしておきましょう。
今後の勉強法について
①理科用語の暗記を徹底しましょう
②グラフや表の問題をしっかりと練習しましょう
グラフや表はどの分野でも必ず引用されます。よく出るものは暗記が鉄則です。「こういうときは、こういう形のグラフになる」ということまで覚えてしまうのが良いでしょう。例えば化学反応の比4:1や3:2などをグラフから読み取らせるような問題が出ると思いますが、比率を覚えておけば、たとえグラフから読み取ることができなかったとしても、問題を解くことはできます。
③計算問題の対策を万全に
計算問題といっても、数学のような複雑な問題が出るわけではありません。ほとんどは公式を使うだけで解けるものなので、公式を当てはめて計算をする練習を徹底しましょう。基本的な問題で大丈夫です。複雑な計算問題が出題されることもありますが、ほとんどの人が解けない問題です。正答率が低く、差がつかない問題になるので、余力がなければ後回しで構いません。
④出題パターン別の練習を
理科の問題には決まったパターンがあります。全部でおよそ90パターンしかありません。
物理、化学、生物、地学の4分野で中1から中3までの3学年ですから、12パターン。1つの分野に対して代表的な実験や観察は6つから8つ程度です。つまり12パターンかける6や7で最大約90パターンとなります。
「今日は消化と吸収についてマスターした」「今日はバネの伸び方について理解した」というふうに、1日1パターンをしっかり理解しても、3カ月あればすべてのパターンを理解できることになります。
テスト当日の実践項目
最後に入試本番で実践するべきことをご紹介します。
空欄を作らない
記述問題が特にそうですが、わからないから何も書かないでいると、その問題は0点になってしまいます。書いてさえいれば部分点がもらえるかもしれません。空欄は絶対に作らないようにしましょう。
設問と選択肢はよく読む
穴埋め、並べ替え、計算結果はよくチェックしてください。文章記述でただ書かせるだけであれば、末尾に「。」が必要です。しかし穴埋め問題で空欄の中に文章を入れる場合、文章だからといって最後に「。」をつけてしまうと、それだけでその問題は不正解になってしまいます。細かいことですが、不要なミスで得点を減らさないように十分に注意をする習慣をつけておきましょう。
問われていることに正確に答えましょう
「名称」「化学式」「番号」「記号」「単位」などに注意をしてください。物質名を聞かれているのか、化学式で答えるのか、番号なのか、記号なのか、また単位は聞かれているものと合っているかなどです。集中力を切らさず、不要なミスをしないように注意しましょう。
※この記事は「個別指導の明光義塾」および福岡の学習塾「エディナ」の調査・分析と監修のもとで書かれています。