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中学生

2021.7.20

Vnet編集部

共通テストに追加予定の新科目「情報」の問題を現役SE(システムエンジニア)が解いてみた

来年2022年度に入学する高校1年生(現中3生)から実施される高校の新学習指導要領で、IT技術や情報モラルなどを学習する「情報Ⅰ」が必修科目になります。あわせて大学入学共通テストでも出題教科・科目が再編され、2024年度からは新たに「情報」が追加になることが検討されています。この記事では、新しい科目「情報Ⅰ」とは何か、そして共通テストに追加が検討されている「情報」ではどのような問題が出題される予定なのか、詳しくご紹介します。実際に現役SEにサンプル問題を解いてもらい、どのような勉強が必要になるかについても解説します。

 

※この記事は「個別指導の明光義塾」九州本部および福岡の学習塾「エディナ」の監修のもと作成しています。

高校で必修となる新科目「情報Ⅰ」とは?

高校の授業では現在、「社会と情報(プログラミングを含まない)」「情報の科学(プログラミングを含む)」いずれか1科目(2 単位)を選択必履修となっていますが、今回はプログラミングなどを学ぶ必修科目「情報Ⅰ」と選択科目「情報Ⅱ」に再編されます。必修科目の「情報Ⅰ」はIT技術や情報モラルの知識だけでなく、具体的なプログラミング言語やデータ分析の知識・理解・活用に関する学習も前提に。「情報Ⅱ」は「情報Ⅰ」をベースに、より発展的に学習するためのもので、情報技術を使って実際に問題の発見や解決を果たすことを目的とした、より高度な内容を学ぶと定義されています。

【出典】【情報編】高等学校学習指導要領 – 文部科学省
https://www.mext.go.jp/content/1407073_11_1_2.pdf

「情報Ⅰ」の追加で大学入試はどうなる? 共通テストにも追加される!?

informatics

「情報Ⅰ」の必修化にともない、大学入学共通テストは出題教科・科目が再編され、2024年度(2025年1月実施)からは新教科として「情報」が加わる形で最終検討されています。これにより国立大入試で課される共通テストは2024年度から、従来の「5教科7科目」に新教科「情報」を加えた「6教科8科目」に変更。この新教科「情報」は一つの試験時間帯で実施され、「情報Ⅰ」の内容が出題範囲となることが発表されています。2024年度の大学入学共通テストは現中3生が受けることになるテストです。今後の動向には注意しておきましょう。

共通テストに追加予定の新科目「情報」のサンプル問題を現役SEが解いてみた

さて、共通テストで出題される「情報」はどんな問題になるのでしょうか?実際に受験する側の生徒の皆さんとしては、どのような勉強が必要になるのか気になるところですよね。ここでは大学入試センターが発表した共通テスト「情報」のサンプル問題を、実務経験20年以上の現役SEに実際に解いてもらい、どのような勉強が必要になるのか分析してもらいました。

【出典】独立行政法人大学入試センター
「平成30年告示高等学校学習指導要領に対応した令和7年度大学入学共通テストからの出題教科・科目について」
https://www.dnc.ac.jp/kyotsu/shiken_jouhou/r7ikou.html

大問別の構成と配点

大問 単元 設問数 配点 概要
1 IT技術全般 14 不明 知識問題が中心ですが、一部数学の知識も必要
2 プログラミング 19 不明 Java、PHP、Rubyなどのプログラミング言語の学習が必要
3 データ分析 12 不明 数学の知識だけで解ける問題。IT技術の知識は不要
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大問1「IT技術全般」

・IT技術全般に関する知識問題がメイン。
・小問1、2、3は知識があれば解答でき、比較的簡単な問題。
・小問4はIPアドレスの知識と数学の知識の両方が必要。難易度は高め。

小問1「ネットワーク」

東日本大震災で安否確認をする際に、電話・メールよりも、LINEやTwitterなどのSNSの方が有用だった事例をもとにネットワークに関する問題が出題されました。必要な知識としては「回線交換方式」「パケット交換方式」「デジタルデバイド」「クラウドサービス」などが挙げられます。

小問2「グラフ化」

「生徒の通学手段の分類」「PDCAのフロー」「価格・重量の関連」をグラフで表現する問題でした。具体的な事象を抽象化し、グラフで表現する能力が問われています。必要な知識としては「抽象化」「可視化」「構造化(思考力)」などが挙げられます。

小問3「アナログ・デジタル変換」

普段PCやスマホで見ている画像がどのようにしてデジタル情報に変換されているのかを問う問題でした。今回は画像がテーマでしたが、音声、動画、文字などもテーマになり得ると考えられます。必要な知識としては「AD(アナログ・デジタル)変換」「標本化」「量子化」「符号化」などが挙げられます。

小問4「IPアドレス」

IPアドレスに関する問題で、特にサブネットマスクの概念に関する理解を問う内容でした。設問を解く前提として、数学Aで学習する二進数と基数変換の理解が必要になります。ITの知識と数学の両方が必要な問題でした。必要な知識としては「IPアドレス」「サブネットマスク」「基数変換」「二進数」などが挙げられます。

大問2「プログラミング」

大問2は「比例代表選挙で政党ごとの議席数を決めるプログラム」を作成する問題でした。比例代表の仕組みを知らなくても問題文を読めば仕組みはわかるようになっています。プログラミング言語は「日本語表記のオリジナルのプログラミング言語」が使われています。
Java、PHP、Rubyなどの言語のどれか1つでも理解していればわかるように作問されています。一方でScratch(スクラッチ)のような「プログラミング的思考」の習得だけでは対応できないため、最終的には言語の学習が必要です。プログラムの内容はそこまで難しくありませんが、問題文を読み、仕様を理解する読解力が問われる問題でした。必要な知識としては「配列」「条件分岐」「繰り返し処理」「最大値探索」「トレース」「バグ修正」などが挙げられます。

小問1「プログラム作成」

大問2プログラム例

問題文(会話文)を読み、仕様を理解して、その内容をプログラムに置き換える問題でした。プログラムの内容は平易ですが、問題文を正確に読み取る必要があります。比例代表の仕組みを理解していれば、内容の理解はしやすいでしょう。

小問2「トレース」

問題文(会話文)を読み、その処理内容を具体的に追っていく問題です。仕様を深く理解できているかが問われています。

小問3「プログラム作成・プログラム修正」

大問2プログラム例2

小問2で把握した仕様をプログラムする問題でした。また不具合改修に関する問題もありました。

大問3「データ分析」

データ分析例

サッカーの試合データを分析し、弱いチーム、強いチームの違いを見出す問題です。この大問の回答については、現行の数Ⅰ「データの分析」の知識でほぼカバーすることができます。またITの知識は特に必要ありませんした。問題の難易度は普通です。ビッグデータの活用を意識した問題だと思われます。必要な知識としては「ヒストグラム」「散布図」「相関係数」「分散」「偏差」「平均値」「中央値」「四分位数」「回帰直線」などが挙げられます。

まとめ

全体として、問題自体の難易度はそれほど難しくありませんが、文章や表などを見て、仕様を理解する読解力が必要です。問題を解くには、以下の4つが必要となります。


①IT技術の知識
②数学(数学Ⅰ:データの分析、数A:n進法)
③プログラミングの知識
④読解能力(仕様理解)


プログラミングに関する問題は、それほど多くの知識は必要ありませんが、「プログラミング的思考」に慣れていない生徒には難しく感じることがありそうな出題内容でした。理解している生徒にとってはかなり簡単な内容だと言えます。
最近増えているプログラミング教室は、ブロックを積み上げていく形式のプログラムですが、考え方の本質は同じです。小中学生のうちからプログラミング的思考を身につけておくと、理解がスムーズになるでしょう。ただし「ブロックプログラミング」から「一般的なプログラミング」へと頭の切り替えが必要になるので注意しておきましょう。

 

※この記事は「個別指導の明光義塾」九州本部および福岡の学習塾「エディナ」の監修のもと作成しています。

 

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