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中学生

2021.3.13

Vnet編集部

九州4県の高校入試で同じ小説が出題! 寺地はるな著「水を縫う」|入試頻出の小説を読もう!

3月10日の試験を最後に、九州・山口・沖縄各県の2021年度の公立高校の主要な入試が終わりました。県ごとの入試問題の分析記事はこれから順次公開していきますが、速報として、中学入試・高校入試を問わず、多くの学校・地域で国語の問題に使用された小説をご紹介します。

 

※この記事は「個別指導の明光義塾」九州本部および福岡の学習塾「エディナ」の監修のもと作成しています。

九州ではなんと4県で出題! 寺地はるな著「水を縫う」

3月に実施された2021年度の佐賀県、長崎県、宮崎県、大分県の公立高校入試の国語では、寺地はるなさんの小説「水を縫う」(2020年5月集英社発行)が題材として相次いで使用されました。関東でも、公立高校入試や複数の中学校の入試で出題されたという情報が入っています。

寺地はるなさんは1977年佐賀県生まれ。会社勤めと主婦業のかたわら小説を書き始め、2014年『ビオレタ』でポプラ社新人賞を受賞しデビュー。『大人は泣かないと思っていた』『正しい愛と理想の息子』『夜が暗いとはかぎらない』『わたしの良い子』『希望のゆくえ』など、多数の作品を発表しています。小説「水を縫う」は今年度、複数の中学校の入試で題材として使用されたことなどから火がつき、一時は在庫切れになった書店もあったと言われています。

「水を縫う」あらすじ

松岡清澄、高校一年生。一歳の頃に父と母が離婚し、祖母と、市役所勤めの母と、結婚を控えた姉の水青との四人暮らし。
学校で手芸好きをからかわれ、周囲から浮いている清澄は、かわいいものや華やかな場が苦手な姉のため、ウェディングドレスを手作りすると宣言するが――「みなも」
いつまでも父親になれない夫と離婚し、必死に生きてきたけれど、息子の清澄は扱いづらくなるばかり。そんな時、母が教えてくれた、子育てに大切な「失敗する権利」とは――「愛の泉」ほか全六章。
世の中の〈普通〉を踏み越えていく、清々しい家族小説。

出典(画像およびあらすじ):集英社https://books.shueisha.co.jp/items/contents.html?isbn=978-4-08-771712-9

男だから、女だから、母親なのに、父親なのに…。世の中に当たり前のように存在する「普通」に疑問を投げかける、いまの時代ならではのテーマですね。受験にかかわらず、皆さんもこの機会に読んでみてはいかがでしょうか?

ほかにもたくさん! 入試頻出作家の代表的な作品

今回の「水を縫う」は九州4県で出題されるなど異例の事態となりましたが、入試頻出の作品を送り出している作家は他にも多数いらっしゃいます。ここでは九州の公立高校入試や関東の中学入試などで題材として使用された作品を中心にご紹介します。

重松清

「南小、フォーエバー」
(短編「小学五年生」収録/文芸春秋)
https://books.bunshun.jp/ud/book/num/9784163257709
2020年度佐賀県公立高校入試ほか

「バスに乗って」
(短編「小学五年生」収録/文芸春秋)
https://books.bunshun.jp/ud/book/num/9784163257709
2021年度福岡県公立高校入試ほか

「サマーキャンプへようこそ」
(短編「日曜日の夕刊」収録/新潮社)
https://www.shinchosha.co.jp/book/134914/
2021年度沖縄県公立高校入試ほか

湊かなえ

「ブロードキャスト」
(KADOKAWA)
https://kadobun.jp/special/broadcast-test/
2019年度宮崎県公立高校入試、2020年度熊本県公立高校入試ほか

にしがきようこ

「ぼくたちのP(パラダイス)」
(小学館)
https://www.shogakukan.co.jp/books/09289763
2019年度鹿児島県公立高校入試、2019年度大分県公立高校入試ほか

蓮見恭子

「襷を、キミに。」
(光文社)
https://www.kobunsha.com/shelf/book/isbn/9784334777470
2017年度長崎県公立高校入試、2017年度山口県公立高校入試ほか

宮下奈都

「窓の向こうのガーシュウィン」
(集英社)
http://ebooks.shueisha.co.jp/detail.php?book=sb946674
2017年度沖縄県公立高校入試ほか

「羊と鋼の森」
(文芸春秋)
https://books.bunshun.jp/sp/hitsuji-hagane
2019年度沖縄県公立高校入試ほか

瀬尾まいこ

「あと少し、もう少し」
(新潮社)
https://www.shinchosha.co.jp/book/129773/
2018年度沖縄県公立高校入試ほか

他にも
「そして、バトンは渡された」(文芸春秋)
「図書館の神様」(筑摩書房)
「傑作はまだ」(ソニー・ミュージックエンタテインメント)など多数

朝比奈あすか

「君たちは今が世界(すべて)」
(KADOKAWA)
https://www.kadokawa.co.jp/product/321903000384/

「人間タワー」
(文芸春秋)
https://books.bunshun.jp/ud/book/num/9784163907406

朝倉かすみ

「ぼくは朝日」
(潮出版社)
https://www.usio.co.jp/books/paperback/2076

まとめ

いかがでしたか? 入試に出るのは夏目漱石や三島由紀夫じゃないの?と驚く保護者の方もいらっしゃるかもしれませんが、入試では最近の作家の作品も題材として取り上げられることが多いのです。この機会に、ここに挙がっている作品を、皆さんの読書リストに追加してみてはいかがでしょうか?

※この記事は「個別指導の明光義塾」九州本部および福岡の学習塾「エディナ」の監修のもと作成しています。

 

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